『ギア-GEAR-』がとても楽しい、という話

 人間、何かにハマり始めた時、ここ最近のヲタクの言い方をすれば沼に落ちかけている時、が1番楽しくて無敵である、というのが持論だ。私はそれを新規ハイと呼んでいる。

……久しぶりに書いたブログがこんな書き出しになっているのは、まさに新しい沼を見つけたからに他ならないわけで。前の記事から半年が経ち、defiledもパパオーものど自慢もデストラップも55ツアーもあったのに、なんと関西の小劇場の話をします!

有言実行するよ~~ギアという沼に太ももまで浸かった人間(要するに中途半端)のダイレクトマーケティングこれぞ新規ハイの成せる技☆

『ギア-GEAR-』とは

 京都にあるART COMPLEX 1928という劇場で、5年半にわたってロングラン公演されている舞台のこと。
 言葉を使わず動きや表情で物語が進んでいくノンバーバルパフォーマンスで、なんとまもなく公演回数が2000回を迎えます(おめでとうございます)!一時期TripAdviserにおいて、京都の観光地で伏見稲荷に次ぐ人気スポットになったらしい*1
 昔おもちゃを作っていた工場を舞台に、工場で働き続ける人間型ロボット=ロボロイドと、そこで作られていた人形=ドールが出会い、まさに歯車が回りだすように物語が展開されていく。

 いやー、私がこんな説明するのもまどろっこしいので公式サイト見て。というか、個人的には公式サイトの文章を読むのすら理屈っぽい気がしてならないので、公式の動画見てください。以上。

※この動画では上演時間70分になっていますが、今は90分です

 まあ概要はこれくらいにしましょう。ここからは何がそんなに楽しいのかを、独断と!偏見と!浅い知識と!少ない語彙で書きます!!

1.推したくなるキャラクター

 登場人物は5人(5体)、4体のロボロイドと1体のドール。そしてこの登場人物たち、メンバーカラーがあります。言葉で説明ができないので見た目で分かりやすくなっているわけですが、なんともドルヲタに馴染みやすい仕様wロボロイドはそれぞれ。ドールについてメンカラというかは微妙だけど白。(ロボロイドは特に名前もないので以下色で呼びます)
 物語は、工場にロボロイドたちが出勤(!)してくるシーンから始まります。使われなくなった工場なのに、ロボロイドたちは出勤して、仕事の準備を始めるのです。なぜならそうプログラムされているから。もうそれだけでちょっと愛おしいよね…。
 仕事の準備をしていくシーンの中で、ロボロイドそれぞれのキャラが分かってくるんだけど、これがまたいい感じにバランスよくキャラ立ちしてるんですわ。手元にあるフライヤーによれば、

赤: 真面目で頑固なロボロイド達のリーダー。ひょうきんな一面もある一番古いロボロイド。
黄: 元気一杯で好奇心旺盛なロボロイド。あっちへ行ったりこっちへ行ったり常に落ち着きがない。
青:キザでクールな一匹狼のロボロイド。みんなとは違う行動をすることが多い。
緑: ちょっぴりドジでそそっかしいロボロイド。実はあちこちで機械を壊していたりする。

という解説がついている。これに個人的な印象を加えて一言で表すと、赤=切り込み隊長青=カッコつけ黄=にぎやかし緑=ポンコツ、かな…。ということで、勘のいい人はそろそろ、自分の推しがどのロボになりそうか気づいているのではないでしょうか???(ちなみに私は、普段からセンターの隣でわいわいしているような人、または主人公の友達を推しがちなので、わりと分かりやすい黄ロボ推しだよ)
 あるいはドールを推すのもアリ。最初は"動けるようになったけど何が何だか分かんない"状態なのが、徐々に自分を制御できるようになってくる様子が可愛くてたまらない。ほんと赤ちゃんがいろいろ獲得して成長していく感じだから、産みたいとか言っちゃうヲタクはドールちゃん推しちゃえ!…すいませんこれはたぶん違うwでもドールが可愛いのは事実。
 自分の推しのほかに「ここはこの人の見せ所!」みたいなシーンがある、っていうのは箱推しなドルヲタの人ならなんとなく分かってくれると思うんだけど、ギアにももちろんある(笑)なので箱推しも可能です。というか箱推しの方が楽しい。

 で、この登場人物たちが工場の中でわちゃわちゃするんだから、楽しくないわけがない!起きた出来事に驚いたり、ロボロイドたちがドールに振り回されたり、乗っかって一緒に遊び始めたり。誰かが何かをしようとするのをけしかけたり邪魔したり。決めポーズの取り合いしたり。そう、いわゆる目が足りないってやつです。
 個々の面白さと絡みの面白さをどっちも楽しめるのは、台詞がないからこそどっちも平等に浮き上がってくるのかな、と個人的には思っている。台詞があると、どうしても物語のメイン=台詞で進んでいく部分になってしまうから。ギアはそういう意味でのストーリーってあまり無いので(!)、ただただ登場人物を愛でるのに最適なのかも。

2.世界観にどっぷりはまる

 ギアを上演している劇場はロングランで専用劇場なので、テーマパークみたいな感じで劇場全体が舞台の世界観に入れるように出来ているのです。
 京都市登録有形文化財にもなっているレトロなビルの3階。狭い階段を上っていくと、入口からすでにギアの世界に飾られている。これがめちゃくちゃ可愛いんだ…!チケットもぎりのスタッフさんの後ろは、キャラクターたちのシルエット&ロゴ。キャスト表ももちろん歯車。ちなみにトイレも歯車の飾りがいっぱいで凝ってる*2。そこから進むと、物販コーナーとロビー。ここももちろん凝っている(写真無くてごめんなさい)。
 そして客席への狭い階段を行くと、目の前に舞台が見えます。幕はない。小さな劇場なんだけどセットは全然簡素なんかじゃないし、細かく見ていったらいくらでも発見がありそう。開演を待つ間から、ここで何が起こるのかわくわくしながら待てるのです。
 開演時間になると、まずはスタッフさんから注意事項の説明。工場の作業員のようなジャンパーをきたお姉さんが「今日はみなさんにロボロイドたちが働く工場を見学してもらいます」と説明を始めます。遊園地の、ストーリーがあるアトラクションみたいなのを想像してもらえればいいかと。そして開演です。

 ただでさえ凝ってるセットなのに、なんとここにプロジェクションマッピングで映像が映るのです。
 普通プロジェクションマッピングというと、建物に映して新しい世界を見せたり、衣装に映して印象を変えたり、というのが多いかと思うんだけど、(もちろんギアにもそういう演出はあるけれど)どちらかというとセットに光をちょい足ししてアップデートする感じなんですよ。これが実際効果としてはちょい足しどころじゃないんだけど!なるほどこうやって効果が足せるんだ、って初めて見たときは感心してしまった。
 それから、小さな空間にどーんとプロジェクションマッピングがされるので、視界の端から端までプロジェクションマッピングに囲まれるというレアな体験もできます。*3あの距離感で光に囲まれると、否応なく自分がその世界に入り込んでしまうのです。
 そんな中で先に説明したような魅力的なキャラクターたちが動き出すから、気がつけば、次に何が起こるかな?って、一緒にわくわくしている自分がいる。客席降り、じゃない客席上り(笑)もあるし、まさに飛び出す絵本のよう。そしてクライマックスである事件が起きるのですが、これも迫力がすごい。特に前列だと4DXもびっくりの迫力。4DX体験したことないけど。(普通にちょっと危ないので希望者にはゴーグルの貸し出しがあるレベルです)
 ロボ&ドールと一緒に笑ったり驚いたり、クライマックスの迫力にやられたりしていれば、きっとラストシーンではドールに感情移入してしまうはず…!

3.人間の身体が素晴らしい

 たぶん世間的にはここが1番推されるポイント。私の場合は推しを決めたくなる方が先に出てしまったけど!(笑)
 ロボロイドたちには得意技(?)があって、ドールと触れ合うことでその才能が開花します。赤はマイム。青はマジック。黄はブレイクダンス。緑はジャグリング。ここまでの文章であえて触れていなかったのですが、ロボたちはそれぞれのパフォーマンスのプロの方が演じています*4。だからクオリティは申し分なし!(ちなみにドールもバレエ系の踊りができる女優さんがやっている)

 パントマイムもマジックもブレイクダンスもジャグリングも、映像では見ることがあっても、生で間近で見る経験ってなかなかな無いんじゃないかと思います。少なくとも私は無かった。1つ1つのパフォーマンスについては、その時のキャストによって違うこともあるので(特にジャグリング)ここでは詳しく書かないけれど、総じて人間の身体ってこんなにも動けるんだ、こんなにも表現手法があるんだ、って感動してしまった。
 マイムが本当にそこに物があるかのように見えるのはきっと精密な動きの元に成り立ってるんだろうなマジックの手さばきの美しさは本当に魔法のようで鮮やかだなブレイクダンスってこれくらいの空間が必要でこれだけ肉体が躍動しているんだなジャグリングって道具を操るために結構アクロバティックな動きするんだな。そして、どれとも違うドールの踊り。
 ある程度舞台が好きで見ているからかもしれないけど、私にはそんなことを改めて考えてしまう時間だった。いやまじで、バク転とか見慣れてるつもりでいたけど、確かに他のお客さんより見慣れてるのは自分でも感じたけど、それでもまじまじと見てしまうんだよ…。

 まあこのくだりはちょっと真面目に書きましたけどw、単純に距離が近いのでそれだけでインパクトがあるし、4つのパンフォーマンスを一度に見られてお得だから!ね!もしかしたら自分にマジックしてもらえるかもしれないし?



 好きなものを語るのにも結構エネルギーがいるもんだな…いつも中途半端にTwitterに垂れ流してばかりだから慣れないや…(笑)
 私はギアを初めて見たとき、楽しすぎて衝撃受けて帰り道で「これはちょっとまた行かなくちゃ、いつなら行けるかな~」と会社帰りに通うヲタクのノリでチケット検索しかけて、自分が京都に住んでいないことを思い出して絶望したくらいには大好きな舞台なのです。
 京都に行く人にはおすすめしたいし、舞台好きな人なら大阪ついで行ってもいいと思っているし、京都に住んでるのに行かないなんてもったいない!この楽しさを語れる人に会いたいし、私自身ももっと細かく語れるように観劇重ねたいなあ。

 お後がよろしいようで。ここまでお付き合いいただきありがとうございました♡

*1:この時にワイドショーなどに結構紹介されたようで、いくつかYouTubeで見られる

*2:女子トイレの話。さすがに男子トイレは知らないけど多分そうでしょうw

*3:これは席によるかも?4列目までは体験できた

*4:逆に言うと、マジシャンやジャグラーの人が自分のパフォーマンスのほかに90分ロボットの演技をしている、と考えるとそれはそれですごい